肆の伍の01 -【空を飛びたい】

壱「空を自由に飛びたいなぁ」
 
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弐「ヘリコプター?」
壱「いや、もっと自由になりたい」
参「この支配からの?」
壱「そういう自由じゃなくて」
弐「じゃあもうちょっと不自由に?」
壱「いや自由でいい、自由でいいんだけども!こう、ね!あるじゃん、上にブーンと」
参「上へ、参ります♪」
弐「チーン♪」
壱「今一番遠ざかったよ!今!」
参「つまり個人レベルで自由に飛ぶ方法を考えたいわけだな?」
壱「流石みっちゃん!」
弐「個人レベルのだと、棺桶的な……」
参「上へ、参ります♪」
弐「チーン♪」
壱「ま〜た遠ざかった〜!」
 
壱「まあ要はタ○コプターみたいなの」
弐「たらこ」
参「たらこぷたー」
壱「折角纏まったのにもう〜」
参「空を自由に飛ぶもの!」
弐「はい!」
参「つぐみん!」
壱「自由かなぁ……」
参「元より自由には責任が伴うからね……」
壱「そういう話?」
参「飛んでみたらわかるんじゃないかな」
壱「今まさに飛ばんとしてるところだよ」
弐「背負えばいける」
参「おお」
壱「推進力が足りなそう」
弐「数の暴力でいこう」
参「暴力反対」
壱「でもビショビショになりそうじゃない?」
弐「それは……」
参「尊い犠牲だった……」
壱「じゃあ濡れない方法!」
弐「はい!」
壱「つぐみん!」
弐「傘を差す!」
壱「それ多分上方向しか守れないんじゃないかなぁ!」
参「じゃあ下に差す?」
壱「どうやって?」
参「こ、こう……広げて踏んづける感じで」
壱「傘だけ地面に乗っかったままだね!」
弐「いいよ、この際ひーちゃんのスカートは必要な犠牲だよ」
壱「わかったよ……私のスカートで空が飛べるなら本望だよ……」
参「諦めないで」
壱「それよりも早く空を飛ぼう」
弐「はい飛んだ!ペットボトルからビシャア言って飛んだよ!」
壱「スカートの犠牲の下に」
参「右に曲がるぞ〜」
弐「右へ、参ります♪」
壱「どうやって曲がろう!!」
弐「はい、うちわ!うちわあるから早く!」
壱「うちわで曲がれるかなぁ!?」
参「下敷き貸そうか?」
壱「ここ空だから!下敷きの貸し借り出来ないし!」
弐「扇げ扇げ」
壱「よっしゃ、任せろ!うおおおおおッ!!」
参「落ちないように下からも扇ぐから!」
壱「いやぁ!スパッツ見えちゃう!」
弐「何スパッツ履いてんだよ!ラッキースケベに貢献しろよ!」
壱「待って!落ちる!」
参「扇げ扇げ!」
壱「これって自由なのかな!自由に飛べてるかなぁ疲れるんだけど!」
 
「お〜い、そろそろ下校時刻だぞ〜」
 
弐「自由は死んだ」