肆の伍の02 -【登校が怠い】

壱「登校が怠い」

 
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弐「ペットボトルならあるよ」
参「労い?」
弐「いやロケットになるかなって」
壱「どこまでも私のスカートが犠牲になるね」
弐「じゃあこうしよう。私がひーちゃんのスカートを履いて登校すれば、ひーちゃんはそのまま家で寝ていられる」
参「なるほど、スカートの犠牲もなく解決したね」
 
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壱「いやいやいやいや、私の本体スカートになってんじゃん」
弐「解決したじゃん」
壱「登校は怠いけど、学校には来なきゃいけないじゃん!」
弐「じゃあ私が代わりに学校行くから」
壱「ありがとうつぐみん」
参「それでいいの?」
壱「ダメだよなぁ〜……」
参「学校に住むとか」
壱「いやだよぅ勉強したくないよぅ」
弐「わがままひーちゃんに画期的な解決法を」
壱「申せ」
弐「学校がひーちゃんちに迎えに来る」
参「天変地異だね」
壱「うちに入るかなぁ、学校」
参「招いちゃったよ」
弐「スカートの中には無限大の希望が」
参「ダメだひーちゃんスパッツだ」
弐「おのれ、またしても……!」
壱「ダメだどう考えても入らない」
参「考えなくてもわかってほしかったな」
弐「学校に住むのもダメ、学校が迎えに来るのもダメって」
参「と言うことは?」
弐「家が歩いてく」
壱「わたしんちに脚生えちゃったね」
参「いや、いい線いってると思う」
壱「やっぱり?」
弐「じゃあ家の周りにペットボトルロケットを巻く」
壱「わぁいビショビショだぁ」
参「じゃあアレ置こう、植木」
弐「一石二鳥じゃん」
壱「でも推進力足りる?」
参「力でねじ伏せる」
弐「数の暴力」
壱「やっぱそうか〜」
参「諦めないで」
壱「空じゃなくてもいいんじゃない?」
弐「海?」
壱「どうして難度高い方行っちゃうかな」
参「じゃあキャタピラで」
壱「みっちゃん流石」
弐「えぇ〜、キャタピラで走ったらキャラ被るじゃん」
壱「キャラ?」
弐「バケットホイールエクスカベータ。山を採掘するやつ」
参「大丈夫、うちらの方がちっちゃい」
壱「わからないよう」
参「わからなくていいことも、世の中にはあるさ」
弐「じゃあ個性を意識して家にスカートを履かせる」
壱「多分引きちぎれるんじゃないかな」
弐「それでいてペットボトルロケットから水がザバァ」
壱「オーバーキルだよぅ……」
参「ワゴンで寝泊まりするとかは?」
壱「みっちゃん冴えてる」
弐「住み心地えらく悪くなったな」
 
「お前らなんの話してんだ」
 
参「車中泊の話です」
壱「そうだったっけ?」